2013 年アクティビティまとめ

今年はなんだか活動成果 (?) が多かったのでまとめてみました。

2 月: Ruby 2.0 リリース

Ruby のリリースマネージャとして Ruby 2.0.0 をリリースしました。良かった点を 3 つ挙げます。

  • 予定通りに出した (途中スケジュールが破たんしかけましたが、最後だけは合わせた)
  • 活動振り返りをした (その後生かされているかは微妙ですが)
  • ちゃんと役職を譲った (自発的にというより、促されてですが)

特に @nagachika さんに 2.0 メンテナを押し付けた託したのは、期待をはるかに超える効果でしたね。

しかしこういう仕事は、見返りがないと徒労感が残って続かないなあとも思いました。肩書をうまく生かせばよかったんでしょうが。
まあとにかく、「今年はもう Ruby のことしないぞ!」というのが今年のアクティビティの原動力になった気がします。

3 月: 「型システム入門」発売

一昨年からやってた TAPL の翻訳がついに終わり、「型システム入門」という題名で本が発売されました。これも報酬に見合わない労力がつぎ込まれた傑作なので、まだ買ってない人は是非買ってください。アフィリエイト置いときますが、押すなよ!絶対に押すなよ!

ジュンク堂でのトークショーとか、中々経験できないこともやりました。ついでに type-level quine も作ってみた。
そういえば、Scala に興味ある人はぜひこの本を読むといいと思いますよ。Scala の型まわりは結構 TAPL (というかその元になった研究) が元ネタになっているんだなあとわかります。せっかくだから勉強会とかやりたいものですね。

5 月: TRICK 2013 開催

https://sites.google.com/site/trickcontest2013/home/ja

shinh さんにそそのかされて、Ruby での変態プログラミングコンテストを開催しました。応募してくれた方々も豪華審査員の方々も観客の方々もありがとうございました。詳しくはるびまでの開催報告をご覧ください。
こういうのの審査側に回るのは初めてで楽しかったです。来年もやりたいですね。

6 月: Ruby コミッタインタビュー公開

http://www.sitepoint.com/meet-fifteen-ruby-core-committers/

「海外勢は matz 以外の Ruby コミッタをほとんど知らないのでインタビューしたい」と声がかかったので、取りまとめと一部英訳をやりました。これもまた無報酬なのに頑張ってしまったなあ。しかし反響があったかは不明。

7 月: Quine リレーリリース

http://github.com/mame/quine-relay

50 言語をめぐって元に戻るウロボロス Quine *1 をリリースしました。名前しか知らない言語を調べていくのは楽しかったです。
実際のところ、そんな高度な技術ではないのですが、反響は大きかったと思います。特に海外から。github では 3000 近くのスターがついて、一時期 github のランキングを (ほぼ) 占拠しました。

ぼくの作ったものは大抵リリースした時点で終了なんですが、Quine リレーは何人かの人が精力的に貢献してくれて、ポータビリティが上がったり、Arch User Repository に入ったり、経済効果 (謎) があったりして、ちょっとオープンソース活動っぽかったです。世界でも有数の無意味な OSS 。さすがに最近はアクションなくなりましたが。

9 月: ICFPc 2013 審査員賞受賞

http://d.hatena.ne.jp/ku-ma-me/20130927/p1

ICFP プログラミングコンテストで審査員賞を頂きました。最近は競プロマニアの若者たちがすごいので勝てる気はしなかったんですが (実際スコアでは完全に負けてますが) 、意外な形で入賞して嬉しかったです。
なお別件ですが、同時期に子がリリースされました。

10 月: 「Ruby による超絶技巧プログラミング」が情報処理学会に掲載

いまさらですが、昨年の「夏のプログラミングシンポジウム 2012」の発表報告が公開されました。
情報処理学会のサイトで誰でも参照できます。こんなものが情処に載っていいのか!?という感じの論文なので、是非ご覧ください。

11 月: IOCCC 2013 4 部門受賞

http://d.hatena.ne.jp/ku-ma-me/20131117/p1

最も著名な変態プログラミングコンテスト IOCCC に 4 部門で入賞しました。これが今年最大の成果でしょうか。なお 1 つの大会で 4 冠というのは史上初だそうです。予定ではもうすぐソースコードが公開されるはずなので、年末年始に解説とか書きたいと思ってます。

また、去年の ASCII fluid dynamics の動画を youtube にアップロードしました。これも海外を中心に反響が大きかったです (英語版の gizmodo に載ったので各国語版に翻訳・拡散したようですが、日本語版 gizmodo にはされなかったみたいで残念) 。超絶技巧は日本人より海外勢の方が受けがいいのかな。

まとめ

振り返ってみるとやはり非常に無意義に過ごせた 1 年だったと思います。来年はもう少し有意義に、ぼちぼちやっていきたいと思います。

やりたかったけどできなかったことは以下の通り。

  • 英語日記をリスタートする (blogger はもう嫌なので GitHub Pages に移行したい)
  • Quine の本を書く (無理)
  • 抱えてるネタいくつかをリリースする

*1:wikipedia の Quine のエントリによると、multi-quine とウロボロス Quine は違うものだそうです。