contributor を大切に

「htmlspecialcharsのパッチ私案」に書いた件、バグレポートを出してみましたが、「すでに同じバグレポートがあるだろ」という理由により、あえなく却下されました。

htmlspecialcharsに関する残念なお知らせ - 岩本隆史の日記帳

これ関係のいろいろを見て思ったこと。どうでもいい長文です。結論はありません。

信用のない人のパッチが通るかどうかは運

が大きいと思います。パッチの出し方は無関係ではないですが (信用度が大きく変わる) 、勘違いされたり見過ごされたりはどうしてもあると思います。
今回は変な人に当たっちゃったみたいですね。残念! 問題の説明について日本語の URL を貼るだけというのはさすがにきついとは思いましたが、「わかんないから却下」という返答ではないので今回はそれは関係ないのでしょう。
パッチを送るときはいろいろと期待とか気負いとかあるのはわかる (ぼくもあった) のですが、一人の反対や一回の却下で「開発陣の総意として否定された!」とまで嘆かなくてもいいと思います。運が悪かっただけです。

バグ報告者を責めるのはよくない

残念だと思ったのは、今回の件でバグ報告した人を責める人がいることです。
「英語の表現が感じ悪い」だの「コーディングスタイルが悪い」だの「仕様変更は最小限にしろ」だの、一般論としては正しいかもですが、やりとりを見る限り、今回の件に関してはどう見てもそれ以前の問題でしょう。対話できる相手とは思えません。
それを置いといたとしても、開発陣側の立場っぽい人が、「そういう一般論に従ってないからダメなんだ」と言ってるのにはびっくりしました。個人的には、そういう一般論は「パッチを送る側がパッチを通りやすくするための知恵」であって、「パッチを受け取る側が当然だと思うもの」ではないと思っています。
パッチを書いた人が無条件で正義なわけではないですが、contributor に対してもっと敬意が払われるべきだと思います。まして、将来の contributor 候補を萎縮させたりやる気をそいだりするようなことを開発者側が言うのは自爆してるなと思います。

炎上は良策かも

意図的かどうかはわかりませんが、日本語でも良いから、今回のように批判材料の形で提供して炎上させ、注目を集めるのはいい手かもしれませんね。炎上に絶えられる精神力があればですけど。そのおかげかどうかはわかりませんが、結果として日本人っぽい開発者が見つけて直してくれたみたいですね。そう考えれば、一般論で責めた人も一役買ったのかもしれませんね。
他の手としては、今回のようなセキュリティがらみの問題なら、役所に届け出れば、大事になって面白かったかもしれないですね。

おまけ: Ruby の開発陣はどうか

どうなんでしょうね。言い方が厳しいなと思う人はいますが、今回の PHP の件のような見当違いな reject はあんまりないと思います。ないんじゃないかな。reject された方がどう思ってるかはわかんないですけど。やっぱり運ですね。
パッチの受け取りについては、一般論で言われるような、大きなパッチが嫌われる傾向 () や「パッチのフォーマットが悪い」という反応 () は当然あります。だからといって、そのせいで reject というのはそんなにはないと思います。その代わり放置されることはよくあります (もっと悪い) 。
バグ報告や提案のしやすさに関しては、ruby-dev や ruby-core のメーリングリストに加入してメールを投げるだけ (詳細) なので、BTS の面倒くさいフォームを埋めるよりは楽だと思います *1 。その際、メールの subject に [Bug:1.9] などと書いておくと redmine に自動登録されていい感じです (詳細) 。もちろん、BTS のフォームで報告したい人は redmine にアカウント作ってやればいいです *2
Applied in changeset rXXXXX. という冷たい感じのメールが返ってくることがありますが、これは誰かが直してコミットしたときに流れる自動返信です。この無機質な表現はなんとかすべきと個人的には思っています。

というわけで (?) 、みんなもっと気楽にバグ報告するといいと思いますよ。

*1:そのせいで必要な情報が漏れるというデメリットはあるのですが。

*2:余談ですが、バグ報告者側に面倒くさい記述義務を課す BTS はぼくは嫌いです。Mozilla とか。まあ Mozilla くらい大量のバグ報告が来るならしょうがないとも思いますが。